「おまえのキライなせかいに住むにんげんを傷つけておいで」
魔女がそういって、ステッキをひとふりするとたちまち女の子は光りにつつまれました。
まぶしさに女の子は目を閉じると、次に目を開けたときには草原が広がっていました。
そしてそこには、一軒の小さな家がありました。
―――人を、世界を嫌う女の子はその家で一人の孤独な男と出会い、男に対して嫌悪を抱きながらも、淋しさに触れて感情が変化していく過程が書かれていた。
女の子はやがて男に愛情を抱くが、その時には男の命が尽きていた。
女の子は男の死が分からず、ずっと傍にいて、食事を運んだり部屋を掃除したりする。
それは男が白骨化しても変わらず、彼女が幸せそうに笑うページで物語は終わった。
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