朝食を終えた後は、私は何時もベットサイドに置かれた本を読んだ。
私が疲れて眠っている間に、二、三冊の本は違うものに取り替えられていた。
その種類はさまざまで、今回はふと思いついて絵本を手に取った。
柔らかい色調の空が表紙だ。
『のこるもの』
―――あるところにせかいをにくむ魔女がいました。
魔女はあるひ、ゴミすてばにあったぬいぐるみに魔法をかけました。
「にんげんになーれ♪」
鼻の尖んがった魔女が、ゴミ捨て場に転がる女の子を模したぬいぐるみにステッキを振っている。
――ぬいぐるみはみるみるかわいらしい女の子になりました。
「キライ」
「おお、愛らしい」
「せかいなんてキライ」
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